一般財団法人ヤマキン学術文化振興財団

ヤマキン学術文化
振興財団について

海外から低価格品の流入、産業の空洞化、労働力不足などにより、日本のものづくりは大きな転換期に直面しています。「ものづくり」の競争優位性は、品質、価格、納期といった次元から、「モノ」を通じて市場にいかなる付加価値をもたらすのかという観点に変わってきています。
「ものづくり」とは、単に品物を製造し出荷する活動を表すものではなく、使い手に寄り添い、価値のあるモノやサービスを創出することを意味します。そのため「ものづくり」には、つくり手の思想や歴史的・文化的な背景が映し出されます。
私たちが考える「ものづくり」とは、「製品・技術・情報(技術・安全性)・サービスを有機的に組み合わせて、市場における全ての顧客に価値を提供する」こと、さらに「IT・デザイン技術を使い、顧客間のコミュニケーションをデザインする」ことと定義しています。
「ものづくり」の原動力には、知識に富み豊かな感性を携える人材の育成と、時代の流れの中で生じる激しい環境変化に応じたイノベーションが必要です。日本のものづくりは世界に誇るものであることに変わりありません。
ヤマキン学術文化振興財団では、歯科医療や関連する工学、化学、教育、経済など幅広く調査・研究をおこない、集積した情報を広く開示します。価値ある情報を歯科医療に携わるみなさまと分かち合うことで、日本の未来を創る一助となるよう、社会的貢献に努めてまいります。

理事長 山本 裕久

活動内容

調査

統計情報や独自調査をもとに各業界の現状を分析し、今後の課題や動向を明らかにします。

研究

デジタル技術普及のための実証研究、新素材研究、技術開発など通じ、イノベーションを生み出します。

発刊

調査および研究で得られた情報および知見は図書の発刊などを通じて展開し、業界発展に貢献します。

人材教育

日本のものづくりの競争力を高めるために、人材教育を通じて世界に通じる開発力を実現します。

【日本の歯科技工をデジタルに進化させる実証研究】- 臨床デジタル技工研究室の概要 -

日本国内に21,000 施設以上ある歯科技工所は、その95.5%が従事者5人未満という「小規模分散型ビジネスモデル」となっています。また、労働人口の減少や高齢化により、就業歯科技工士数は近い将来激減すると言われております。
これら小規模歯科技工所がアナログからデジタルへの技術の不連続期を乗り越えて生産性を向上させなければ、地域の歯科医療は崩壊の危機に直面することとなります。

2021年5月、YAMAKIN株式会社第2総合技術研究所2階に開設した「臨床デジタル技工研究室」では、高知大学医学部YAMAKIN次世代歯科医療開発講座の取り組みの一環として、小規模歯科技工所がデジタル技術を導入し活用する実証的研究を進め、その結果を広く発信しています。このようなデジタル化の取り組みを通して、高齢化が進む高知県の地域医療を守り、全国の地域医療を守る標準的手法の開発をおこなっています。